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+act.01 summer/2004

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都心の公園で敢行された本誌の撮影。
忙しいスケジュールの中での僅かな時間だったが、一瞬のうちに彼は様々な風景を彩ってくれた。
ドラマ、CM、舞台などで大活躍の今最も注目されている若手俳優・成宮寛貴。
そんな彼が『下弦の月〜ラスト・クォーター』で演じるのは、美月の恋人役・知己。
横浜の大学に通う知己は、愛車べスパにまたがり、モッズ・バンドのギター&ボーカルを務めるこだわり派、浮気症が玉に瑕という青年だ。
”自分とは全く違う役だった”という成宮に話を訊いた。

―今回の知己役の話を最初に頂いた時の印象はどうでしたか?
「”熱いなぁ”っというか、”子供だなぁ”っとうか、自分の実年齢より勿論下だし、精神レベルが最初はすごく低くて、好きな子を通じて成長するんだなぁ、と。
あと、バイク乗らなきゃとかギターどうするんだってことをまず最初に思った(笑)。
で、知己はモッズなんですけど、モッズって言葉は知ってるけど何だよそれ?みたいな。
最初にモッズの資料をバンッて渡されて、とりあえず読もう!みたいな(笑)」

―じゃあ、まずはモッズの勉強から始めた、と。その資料から分かったモッズってどんなものでしたか?
「イギリスのひとつの文化なんですけど、ファッション・スタイルとか全部含めてモッズっていうのがあって。
洋服とかはスーツにファーミーっぽいジャケット羽織って。
とりあえず、カッコつけ屋」

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―『さらば青春の光』ですね?
「そうですね。あの映画を観て”あ、こういう雰囲気、こういうニュアンスね”っていうのが分かって。
次に知己はそれを日本でどういう風にしてるんだろうっていうのを考えて。
で、衣装合わせしたときもちゃんとしたモッズ・スタイルで、べスパもデコレーションしてて、これは本気だなぁ、と」

―知己はこだわり派ですものね?
「うん。これがいいとか、これがかっちょいいと思ったら、それにのめり込むタイプだし、最近始めたへたくそなギターを彼女に聴かせたり・・・自分をしっかり持ってる」

―恋人役の美月との関係はどうでしたか?
「彼女の方が精神レベルが高いんですよね。
まぁ、若い頃ってそうだと思うんですけど。
知己と美月のカップルはお似合いだなぁって。
自分の足らないところを美月は分かっていてくれていて、そこをちゃんと好きでいてくれる、そういう関係が築ければいいなっていうのを思いました。
今回は出会ってからのラブ・ストーリーではなくて、すでに出会ってて・・・ってところからだったんで、その感じが出ないとダメだなって最初に思った。
でも、美月役が栗山千明ちゃんで、彼女はもともと友達だったから、それはすごいよかったです」

―成宮さんがクランク・インした日を拝見しましたが、最初から2人がとても仲良しだったのが印象的でした。
「仲良くするようにしてたっていうのは言い方が変なんですけど、なるべく近くにいるようにして、千明のかわいいところとか素敵なところを見つけては愛する、みたいな。
そういう作業もラブ・ストーリーの場合はとっても必要だと思うから」

―しかし今回はギターだったり、べスパだったりモッズだったり自分にない要素のハードルが高かったですね?
「そうそう。大変だったのが、ギターと免許を取りに行くこと。
原付は免許いらないと思ってたんですよ(笑)これまで何も免許を持ってなくて。
スケジュール的にも全然行く時間がなかったんですけど、ある日仕事が終わったらマネージャーさんに「明日、原付の免許取るから」っていきなり言われて。
全く勉強してなかったから、その日は夜中まで日本の交通事情を勉強して(笑)。
次の日、結構落ちる人多い試験だったけど、なんとか受かりました。
でも、久々に勉強してすごい楽しかった。
なんか、追いつめられるのって楽しくて・・・結構集中してやったから」

―ギターにも初挑戦されて、なんとか弾けるようになり。撮影後は弾いてないんですか?
「アコギをやろうと思って、今車に積んでます。
でもね、指の皮もすっかり薄くなってしまって・・・(練習すると)皮が厚くなるのがチョー嬉しかった!
だんだん痛くなくなってくるんですよ。
ギター弾くとこういう風に体が反応するんだ、みたいな。
それが単純に嬉しかったですね」

―知己と成宮さん自身の似てるところはありましたか?
「ないですね。だからテンションを作るのが大変でした。
なんだろ・・・まず人間の質が違うから。
知己は無邪気で犬みたいな感じの人で・・・俺はちょっと違うから、知己のセリフを自信を持って自分の口から吐くには結構時間がかかった」

―そういう全く違うものを演じる時は、どうやって自分とシンクロさせていくの?
「それはもう、役と手を繋ぐというか、たまには自分の方に引き寄せたりもするし。
本を読んでその人間像を造り出すしかない。
自分の中にあるいろんな引き出しから、いろんな粘土を取り出してきて知己っていう像を造る。
それは想像すること、イメージすることでしかない、と僕は思います」

―「この作品のテーマ性に関してはどうですか?
「僕、この映画で一番好きなのはそこかなぁ。
人のことを好きになって、裏切られたり、上手く歯車が合わなかったりしても、もう一度信じてみる。
そして、お互いに成長して・・・っていうような。
”恋”だけじゃない、”愛”という言葉にするとそれが正しいのかは分からないけど。
そういう話ってすごい好きなんですよ。
ラブ・ストーリーが好きです。
オレンジデイズ』ってドラマをやってる時に、なんでラブ・ストーリーが好きなんだろう?ってずっと考えてたんですよ。
で、分かったのは、俺はいつも誰かに恋してるんだけど形にしないんです。
だから、話の中で疑似恋愛してるのかなぁって。
(撮影中)その人のことを結構ちゃんと好きになる。
別にプライベートで何かしちゃうとかは全くないんですけど(笑)。
でも、そこで自分の満ち足りないものを吐いてるのかなぁ・・・って思った。
だから、すごい不健全な人なんです。
幸せになるのはいいと思うけど、僕は実際に恋愛して付き合ったりするとすごく影響されてしまうので、そこに行くのが恐い。今は」

―では、最後に『下弦の月〜ラスト・クォーター』の見どころを!
「実は僕もまだ観てないんですけど・・・まず、監督は映像美にすごくこだわっててCGとかも通常の映画より多い映画だと思うので、その辺がすごい楽しいと思います。
で、メインとしては、不思議な繋がり、不思議な縁とかあると思うんですよ。
きっと世界のどこかには自分とピッタリくる人がいると僕も強く信じてるし、皆もそうだと思うけど、そういう不思議な繋がりだったり前世とかがあるかもってドキドキ、ワクワクさせるような映画だと思うので、そこを楽しみにしててください」

ページ:8ページ
そのうち、6ページがナリの写真
残り2ページはインタビューと「下弦の月」の紹介

(表紙)
発売日:2004/夏、 REPO:2008/5/7
※文章・画像の転載・引用を一切禁じます。

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