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DRAMA GENIC



初演「お気に召すまま」の特集記事のようなものです。全16ページ、その内ナリのページは8ページ。

インタビュー・・・・・「お気に召すまま」について(注:初演)

今年の成宮寛貴は舞台づいている。『浪人街』から2ヵ月しか間をおかず、この「お気に召すまま」に臨むのだ。
デビューが舞台で、日頃から演劇への想いを口にしている彼だけれど、この連投は大変なことだろう。

どうしようってすごく考えました。前後のスケジュールがタイトだったし、のどの心配もあったりして。
前回『ハムレット』のときは、もうガラガラになってしまって、出なかったんですよ、声が。でも今まで、勢いとまわりのエネルギーに乗っかってきたところがあるので、自分から発信するものを自分で再認識したい、っていうか・・・・・なんかね、今年はぼくにとって、修行、って感じです


というわけで、ここで彼が”修行”することになった役は、ロザリンド〜男装の少女だ。恋人・オーランドー役の小栗旬を相手に、”男優が女性を演じ、さらに男装する”という、多重構造の演技に挑戦しなければならない。

女の子の役ですけど、観てる人が『気持ち悪い』と思わないようにはしたいな。見かけは男の子なんだけど、女の子の特徴ーちょっと弱かったりとか、そういうところが出てきたりするのも含めてすごく複雑で難しそう。でも、難しいと感じていたものが、実はすごくシンプルでわかりやすかったりもすると思うんで、あまり考えすぎないで素直にいければいいな、と思って

そう構えずにいられるのは、演出が蜷川幸雄だから、ということが大きい。蜷川の演出を受けるのは、’01年の『ハムレット』でフォーティンブラスを演じて以来、二度目になるが、前回の経験は彼に役者としても人間としても、とても大きな意識改革をもたらした。

蜷川さんっていう人は、ぼくのことを理解して、それに合った演出をしてくれる。仕事をしてて、自分のことをわかってもらえることって、なかなか少ないんですよ。すごく多くの人と会うし、いろんな人と気持ちがすれ違っていく。そういう中で『あ、ぼくのことを本当に理解してくれてるんだ』って思えることが、まず、すっごくうれしい

蜷川は前回、最初にこう言ったそうだ。
おまえに合った演出をするには、おまえが壁を作っていると内面が読み取れない。だから、その壁をぜんぶ取っ払え!

そう言われた彼は、すぐに壁をなくすことができたのだろうか。
できないですよ、それは!難しいに決まってるじゃないですか!なにしろ、ちょっぴりスレてたもので(笑)。子どもの頃から、大人の人と一緒に過ごすことが多かったから、わりと、”自分がどう思うか”というよりは、”相手がどう思うか”っていうことが、いちばん最初にくる。でも、『そうじゃなくて、自分はどうなんだよ!』っていうところで、蜷川さんが何をしてくれたかって、いま思い出すと、何でも受け入れてくれる器を作ってくれた。『ここに何いってもいいよ』って。ヘタしたら、ゲロ吐いちゃってもいいよ!みたいな(笑)、それぐらいの大きさがあって、すごく安心させてくれる。だからぼくは、舞台中はほとんど毎日、蜷川さんとしゃべってた。本当にたいしたことない、『今日何してた』とかなんだけど、蜷川さんに・・・・・大人の他人に、初めてちゃんと全部見せて、心を開くことができました

演出家としては、稽古場では相当にコワい、というイメージを持たれがちな蜷川だけれど、実は彼曰く、「本当に優しい人だし、厳しい人だし、尊敬できる大好きな人」だ。カンパニーの中で、いちばん張り切ったり、喜んだりするのも蜷川なのだという。だから、一見厳しい言葉も素直に受け止められるのだろう。

蜷川さん(の言葉)に、ナイフで刺されまくる、っていうか、血だらけになっちゃうぐらいにされたいとは思いますけど。もう本当にグサッ!とくるんですよ。『わっ、わかってます・・・・・・!』みたいな。でも、恥ずかしいことも、得意なことも、ダメなことも、どんなものでも、一緒にいるとぜんぶ見えるし・・・・・なんか、蜷川さんがいる、もうそれだけでいいんですよ。24時間あって、蜷川さんの時間をどれだけ自分に割いてもらうか、そういうことまで考えてしまう

信頼できる人に自分のすべてを委ねたとき、成宮寛貴はきっと2年前よりもっと変わるのだろう。

蜷川さんにすべてをさらけ出せれば、役者として成長できるって、もうわかってるから。さらにいろんなことを教えてもらって、旬とも一緒に感じてできればいいんじゃないかなあ、と思ってます

Q&A

本&映画best1・・・まだ出会ってない。一生決められないかも知れない。

自分のスタイル(美学・ポリシーetc.)を構築するにあたり、影響を受けた人物・・・事務所の社長。蜷川幸雄さん。蜷川実花さん。

生まれて一番最初の記憶・・・お母さんの足の間にはさまれて、スキーをしていた。もうじとつは部屋に誰もいなくなって、わんわん泣いてる場面。

1本の作品の撮影が終わった夜の気持ち・・・その日による。


写真:12枚(その内、1枚は1ページ分のドアップ。4枚はかなり小さめ。)写真は見応えあると思います。


『お気に召すまま』公式ブログ


発売:2004/6、 REPO:2007/6/13
※本記事内の写真画像の無断転載を禁止します



    



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